右の図は、下記の資料より引用した秩父札所十一番南石山常楽寺の霊験記の錦絵です。
上部には霊場境内の風景画が描かれ、下部には霊場の縁起にまつわる逸話と挿絵が描かれています。
「観音霊験記」(埼玉県立浦和図書館所蔵資料)
著者名:歌川広重(二代)、歌川国貞/画,服部応賀/編
出版者:〔山田屋庄次郎〕
出版年:江戸末期
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右の図の「観音霊験記」の下部の「霊場の縁起」については、次のような逸話が
記述されています。
住持門海
門海は智徳勝れたる聖にて、當山に二王門を建立せしけるが、普請なかばに邪気に犯されて臥けるが、
薬服もはかばかしく験もなければ、本尊に快気を祈念しけるが、その夜夢中に貴僧来りて、吾よく汝
が邪気を治さしめんと宣へば、ふしぎと其座へ金剛神あらわれ出て、門海の手を採て引き立つると
思へば夢覚めぬ。その翌日より忽ち平愈しければ本尊をいよいよ信心しけるに、猶数多の霊験を蒙り、
長寿を得たること、偏に當寺の利益ふしぎというもおろかなり。
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