右の図は、下記の資料より引用した秩父札所十九番番飛淵山龍石寺の霊験記の錦絵です。
上部には霊場境内の風景画が描かれ、下部には霊場の縁起にまつわる逸話と挿絵が描かれています。
「観音霊験記《(埼玉県立浦和図書館所蔵資料)
著者吊:歌川広重(二代)、歌川国貞/画,朊部応賀/編
出版者:〔山田屋庄次郎〕
出版年:江戸末期
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右の図の「観音霊験記《の下部の「霊場の縁起《については、次のような逸話が
記述されています。
飛脚の尊像
當寺の境内は、龍宮湧出の霊場にて、堂舎および歩行の地は、大概一枚の盤石にて、さらに塵土をふまず。
本尊は弘法大師の作にて、京洛より飛で、爰に移り玉ひし尊像にましまして、もっとも霊験あらたか
なり。或年天下大いに旱して、万民の飢渇まのあたりなれば、大師に勅あって祈らせられしに、大師摧肝
膽て祈りければ、神泉苑より小龍天上する。同時にこの地の盤石二つにわれて、大龍雲を起して発しければ、
忽ち大雨降りそゝぎて、人畜草木も蘇生り、五穀豊饒せしは、偏に大師の丹精と観音の利益なり。
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