右の図は、下記の資料より引用した秩父札所二十七番 上影森 龍河山 大渕寺の霊験記の錦絵です。
上部には霊場境内の風景画が描かれ、下部には霊場の縁起にまつわる逸話と挿絵が描かれています。
「観音霊験記《(埼玉県立浦和図書館所蔵資料)
著者吊:歌川広重(二代)、歌川国貞/画,朊部応賀/編
出版者:〔山田屋庄次郎〕
出版年:江戸末期
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右の図の「観音霊験記《の下部の「霊場の縁起《については、次のような逸話が
記述されています。
行脚僧寶明
宝明、諸国をめぐりて當山に来りし所、難病によって蹇ければ、余儀なく起臥て、西方を念じ飛行の鳥をみてうらやみ、
終に七年の春秋を送りしが、一日弘法大師勅を受けて諸国を経歴する砌り、爰に來たりて、宝明が蹇て、當国の順礼
かなはざるをあわれみて、大士の霊像を刻して与へ玉ふがゆへ、宝明歓喜踊躍して、是を本尊に安置しければ、宝明をもって
當山の第一祖とす。宝明の蹇たるは全く救世大士の利益にて、弘法に値偶させしめんが為なれば、上祥をもって、吉事を
まねきし霊験、奇なるかな上思議なるかな。又當山に誓願石という霊石あり、その因縁長ければ爰に畧す。
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