右の図は、下記の資料より引用した秩父札所二十九番 笹の戸 見目山(笹戸山) 長泉院の霊験記の錦絵です。
上部には霊場境内の風景画が描かれ、下部には霊場の縁起にまつわる逸話と挿絵が描かれています。
「観音霊験記《(埼玉県立浦和図書館所蔵資料)
著者吊:歌川広重(二代)、歌川国貞/画,朊部応賀/編
出版者:〔山田屋庄次郎〕
出版年:江戸末期
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右の図の「観音霊験記《の下部の「霊場の縁起《については、次のような逸話が
記述されています。
龍女
人皇四十四代元正天皇の御時、此山の麓の淵より龍女現じて、當山の絶頂へ夜な夜な竜燈を捧ぐるものから、
諸人はあやしみ又は尊みて、必ずこの峯に霊佛あるらんと渇仰しけるに、星霜をへて十余人の順禮きたりて
此山の案内をさせしに、一つの岩屋の口に小笹生い茂りて、さながら戸ざすがごとくなれば、衆僧達押し開き
て見れば観音の像巍々として立玉ふ。則今の本尊これなり。
十余人の順礼は、熊野権現をはじめとして、同行は貴き権化にましませり。猶後年にいたりて當山の住持静山
和尚、本尊の霊験にて命たすかりたること、圓通伝にくわしければここに贅せず。
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