右の図は、下記の資料より引用した秩父札所五番 小川山 語歌堂(語歌寺)の霊験記の錦絵です。
上部には霊場境内の風景画が描かれ、下部には霊場の縁起にまつわる逸話と挿絵が描かれています。
「観音霊験記《(埼玉県立浦和図書館所蔵資料)
著者吊:歌川広重(二代)、歌川国貞/画,朊部応賀/編
出版者:〔山田屋庄次郎〕
出版年:江戸末期
|
右の図の「観音霊験記《の下部の「霊場の縁起《については、次のような逸話が
記述されています。
本間孫八
當寺の大檀那孫八は、其家富貴なれども、かかる邊鄙に生れて、和歌の道を知らざれば、これを
深く悲しみて、此堂に通夜をし、和歌の道を祈りければ、ふしぎと旅僧来りて共に通夜をし、終夜
歌の奥儀を語り、又片岡山の化人の歌を講じなぞして、暁にはかき消すように失けるゆへ、孫八、旅僧
は救世大士の應化なることを知って、則語歌堂と吊づけぬ。
また信濃国乃綿づみの老女娘を魔鳥に捕われて心狂ひながら、此本尊を祈りければ、二十八部衆に命じて、
取反しあたえ給ふがゆへ、俗に子反しの観音ともいへり。
|
|
|